ALSが治る⁉治療の可能性見つかる
皆さん、ALSという病気はご存知でしょうか?
現在、ALS(筋委縮性側索硬化症)は指定難病の一つで、約10万人に1~2人ほどの確率で発症します。
難病のため、原因は不明、治療法も今の医学を駆使しても見つかっていない病気です。
〇どのような病気なのか
手足や喉、呼吸に使用する筋肉、舌の筋肉が力を失い、動かすことが難しくなる病気です。
これは筋肉の障害というよりも、筋肉を動かすための神経が障害されて引き起こされています。
この筋肉を動かす神経が障害されることで、脳から「動かせ!」という指令が出ても、反応することができないんです。
一方で、ALSでは、基本的に5感(触覚、嗅覚、聴覚、味覚、視覚)、脳での記憶や思考は問題なく働きます。そのため、自分で感じたり考えたりすることができても、それに対して反応をすることができないので、「箱に閉じ込められる」と表現されることもあります。
筋肉とひとくくりに言ってもALSで障害される筋肉は、随意筋と言われる、自分で動かしたいと思って動かせる筋肉です。心臓や腸も筋肉がありますが、これらは自律神経によって支配されているので、異常は見られないのです。
この随意筋が障害されると、、、
・手足を自由に使えない
・喉や舌の動きも障害されるため、食べ物の飲み込みが出来なくなる
・口を動かすことが難しくなるため、会話が出来なくなる
・呼吸に使う筋肉が障害されるため、呼吸が難しくなる
…etc
〇ALSに治療の希望?
今回京都大学において、白血病の治療に用いられる「ボスチニブ」には運動神経の細胞死を抑制する働きがある事が発見されました。
このボスチニブは不要なたんぱく質を分解する働きを持つオートファジーを促進し、ALSを引き起こす原因である異常に折りたたまれたタンパク質を減らすことが可能なのです。
実際にALSのマウスに投与したところ、ALSの発症の遅延、生存期間の延長という結果が見られてるため、人間においても可能性は0ではないということなんですね。
今回はマウスを使用した実験であり、まだ実用化には何年も必要となる見込みですが、今後薬物の有効濃度や安全性、髄液への移行性を治験することで遠くない未来にALSが治る時代が来るのかもしれない。
医療の進歩によって、さらに救われる命が増えるのではないでしょうか。
今回取り上げたALSという病気を持った患者さんは、様々なところで講演会などに精力的に参加されて、活動されている光景を多々見かけます。
難病を患いながらも、その病気を受け入れて一日一日を一生懸命生きている姿は皆さんに知ってほしいものです。
少しでも興味や関心を持って、もっと知っていただけたら嬉しいです。
もしALSについて、知ってみたいと感じていただけたら、こちらの本がとてもオススメなので、読んでみてください。
患者のリアルな感情などを読み取ることができるでしょう。
それでは、また次回!